下部尿路機能障害

下部尿路症状について

このような症状はありませんか?

  • トイレが近い
  • 夜何度もトイレで起きる
  • トイレに行った後もすぐにまた行きたくなる
  • おしっこが漏れる
  • おしっこが出にくい
  • おしっこをした後でも残っている感じがある
  • おしっこをするときに痛みがある
  • ぼうこうのあたりが痛い、違和感がある

60歳以上の男女の約78%がなんらかの症状を有すると言われています。(参考文献1)

代表的なご病気としては

  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 神経因性膀胱
  • 腹圧性尿失禁
  • 骨盤臓器脱
  • 膀胱炎
  • 間質性膀胱炎
  • 慢性骨盤痛症候群
  • 低活動膀胱

などが考えられます。このうち、代表的な2つの疾患についてご説明します。

・ 前立腺肥大症
前立腺は膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいます。
みかんのような層構造をしていて、尿道のまわりの内腺(みかんの実にあたる部分)と被膜付近の外腺(みかんの皮にあたる部分)に分けられます。
尿の通り道を圧排することで様々な症状を引き起こすことを前立腺肥大症と言います。
55歳 以上の男性の5人に1人、すなわち約400万人が前立腺肥大症に罹患していると推測している報告もあります。(参考文献2)

おもな治療法としては

  • 薬物療法(α1阻害薬, PDE5阻害薬, 5α還元酵素阻害薬, 漢方など)
  • 生活指導(食事指導, ダイエット, 運動, 禁煙など)
  • 認知行動療法
  • 骨盤底筋訓練
  • 手術(HoLEP, TURPなど)

などがあります。まずは生活指導、骨盤底筋のトレーニングや、薬物療法などを行い、あまり有効でない場合や、あるいは最初から症状がかなりひどい場合、検査で異常が明らかな場合は手術を行います。

当科で行う手術としては、ホルミウムレーザーを用いて前立腺を核出する手術(HoLEP)を中心に、患者さまの状態に応じて適した方法を選択します。おもな治療成績はこちらから参照してください。

過活動膀胱
「急に我慢できないような尿意が起こる」尿意切迫感を主症状とし、通常は「トイレが近い」頻尿や夜間頻尿を、時に「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」切迫性尿失禁を伴う症状症候群のことです。40歳以上人口の12.4%を占めると言われています。1
おもな治療法としては

  • 薬物療法(抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬、その他漢方薬、エストロゲン、フラボキサート、三環系抗うつ薬など)
  • 生活指導(食事指導、ダイエット、運動、禁煙など)
  • 理学療法
  • 膀胱訓練
  • 神経変調療法・外科手術
  • などがあります。診察や各種検査を行ったうえで、その結果や、症状の程度、ああるいは患者さまの状態に応じて各種治療法を選択します。

    この他にも、当科が専門としている疾患は多くあります。上記のような症状がありましたら、いつでも気軽にご相談ください。

    参考文献
    1.本間之夫:排尿に関する疫学的研究委員会, 排尿に関する疫学的研究.排日排尿機能会誌2003;14: 277 – 266
    2. 厚生労働省: 平成25年国民生活基礎調査の概況. 2014.