腎移植

腎移植とは

『腎不全・腎代替療法』
何らかの原因で腎臓の機能が低下し、身体の中に蓄積した老廃物を腎臓の代わりに浄化させる手立てを考えなくてはいけない状況が末期腎不全といわれる状態です。この腎臓の代わり-腎代替療法には「透析療法」(腹膜透析、血液透析)と「腎移植」の2種類があり腎移植は末期腎不全の唯一の根治療法です。

腎臓移植では他の腎代替療法に比較して様々なメリットがあります。特に食事制限の緩和や一週間に数回行わなくてはいけない透析治療からの解放、また透析を続けることで発生する合併症も心配する必要がなくなります。女性の場合は出産におけるリスクが大幅に軽減されるため、安全に出産が可能になります。少量の免疫抑制の内服以外、健康な方と同様な生活を送ることができます。デメリットとしては移植した腎臓に対する拒絶反応を抑えるために生涯にわたって免疫抑制剤といった薬を規則正しく飲み続けなくてはいけません。免疫機能が抑制されるため感染症や悪性腫瘍の罹患リスクも上昇します。移植した腎臓の働きが永久的に続くのが理想的ですが、拒絶反応や高血圧、糖尿病などの原因により移植腎の機能低下を来し再び透析が必要となることもあります。

『生体腎移植・献腎移植』
腎移植には提供される腎臓がご家族や親族からの移植となる「生体腎移植」と亡くなられた方から提供していただく「献腎移植」があります。日本では腎臓移植症例の8割が生体腎移植ですが、米国では献腎移植が7割を占めています。諸外国のなかでも日本における生体腎移植の割合が多い理由は様々ですが、亡くなった御本人の臓器提供に関する意思表示のとらえ方、背景にある社会的な基盤や文化、宗教観などが複雑に絡み合っている結果であると思われます。2017年時点での献腎移植希望登録数12,449名に対し献腎移植症例は198例となっており登録者数に対して約1%弱となっている現状です。日本臓器移植ネットワークによると2017年に献腎移植を受けた方の平均待機期間は16歳未満で3.2年、16歳以上で13.9年でした。これは2001年のレシピエント選択基準の法改正により16歳未満の小児が選択される可能性が高いことを示しています。

『移植腎生着率』
日本移植学会から出されているファクトブックによれば、腎移植は移植手術の向上、免疫抑制剤の開発により年代ごとに移植腎生着率の成績は改善されています。生体腎移植、献腎移植のいずれにおいても、生着率は年代とともに上昇しており、生体腎移植では2010~2016年で99.2%、97.1%。献腎においても2010~2016年で98.0%、93.1%と高い生着率を認めています。

『当院での腎移植』
当院では福井大学病院腎センターとして泌尿器科と腎臓内科の協力体制のもと1990年の生体腎移植第1例目を実施、同年に献腎(死体腎)移植1例目を実施以降、50例以上の腎移植術を行ってきており、福井県では唯一献腎移植を行っています。また、2018年の小児腎移植日本国内で7例目、北陸では1例目の小児間の献腎移植を成功させ現在も移植症例数は増加傾向にあります。また従来、拒絶反応で生着が難しかった血液型不適合腎移植や抗HLA抗体陽性腎移植も実施しています。

現在、福井大学での献腎(死体腎)移植を希望する場合は日本臓器移植ネットワークへの登録と同ネットワーク関連施設である福井大学腎センターへの受診が必要となっています。選定基準は血液型などを点数化して考慮されます。臓器移植法の改定で親族優先提供(生前意思表示のあるドナーから配偶者、子、父母へ)が可能となりました。ドナーとレシピエントを全身検査し、計画的な移植を行っています。術後の通院やドナーのフォローも生涯行っています。栄養管理士・ME技師・看護師・医師を含めた職種横断的カンファレンスを行い、血液透析・腹膜透析・アフェレシス・腎移植・保存機腎不全患者の管理について情報共有を図っています。

献腎移植に関係するデータ等は(社)日本臓器移植ネットワークのホームページで御覧になれます。
ドナーカード(意思表示カード)に関するお問い合せは、福井県腎臓バンクまでお願いします。

福井県臓器移植推進財団(旧 福井県腎臓バンク)
住所:福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
福井大学附属病院内
電話:0776-61-3773
また、献腎情報は24時間対応の電話0120-22-0149までお寄せ下さい。